MINE.

末恐ろしいことを言ってくるので、身を震わせる。
川崎さんは少し笑った。

「金曜日だしぱーっと飲みに行こっか」
「やめときます……今日は悪い酒になりそう」
「本気で何があったの?」
「自分の気持ちの暴走が止められなくて、松田に八つ当たりした」
「うわあ」

嫌な顔を隠そうともせず、川崎さんは開いたエレベーターからおりる。わたしもそれに続く。

「もう諦めたら?」

振り向き、憐れみを含んだ笑みを浮かべた。

「何を?」
「松田さんを……」

会社のエントランスの向こうは夏とはいえもう真っ暗だ。

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