MINE.
きょとんとした顔で松田が上から覗き込んでくる。それから、片手を顎に当てた。
「確かにそうですね」
わたしを起こしてくれるけれど、膝は掴まれたまま松田の腿の上に乗ったままだった。
「お昼のは……ごめんなさい、一方的に怒鳴って。八つ当たりよ、五十鈴さんに懺悔されてむかついたの」
「懺悔ですか」
「昔のこと悪かったって。わたしのこと、大嫌いだったけど、」
「今は好きなんですか?」
ひゅ、と無意識に息を吸った。隣から湧いた冷気に閉口する。
「最近、やけに仲が良いとは思ってましたが」
しずかに、顔を向ける。
獰猛な、その野獣に、気づかれないように。