MINE.

また思わぬ一言に傷つけられる。
どうでも良いとか、思ってても普通言わないんだから。

「好きだって言ってくれなくなるなら、どこへも行かずここに居てください。一生送迎して、話相手にもなりますし、飯も用意します」

先ほどから開いた口が塞がらない。

「す……好きだから結婚したいって言ってるんじゃない」
「ですから、絹さんと」
「そんなの」

体の良い言い訳でしょう、と言いかけて止まる。

わたしも同じことを思っていた。そして、その言い訳を使って松田を手放そうとした。

言った言葉は自分に一番に返ってくる。
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