MINE.

「あ、ごめんなさい」
「いえ、それだと飲みにくかったですね」

コップを取られる。濡れた胸元をシーツで拭われた。

「同僚の方が出られて、休む旨を伝えたら有休溜まってるからと言われました」
「うん、大場さんかな? でも、午後からなら行けると思う……」

松田がコップを傾けて水を飲む。わたしも喉渇いてるんだけど、とそれを見ながら思った。

す、と顔が近づく。自然に唇が重なり、少し開いた口から温い水が注がれた。

「ん……ん、う」

うまく飲み込めなくて、溢れた分が顎から滴り落ちる。こく、と漸く一口飲めた。

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