MINE.

お母さんみたいに毎日ご飯を作ってくれたお手伝いさんの陽乃(ひの)さんもいるから、実家みたいな感覚だ。今は本妻の方も亡くなって、異母兄が家長になっている。

勿論、一番は松田に会いに。

松田はわたしの住んでいた離れに住んでいる。

「食べさせられてます、この前陽乃さんが土用の丑の日に鰻を大量に出してくれまして、肥りました」
「松田、食べても全然肥らないのに?」
「ついた脂肪が落ちにくくなってるのに困ります……」
「ちょうど良いくらいでしょ」

食べた分だけ太るわたしの気持ちを少しは理解すべきだと思う。

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