MINE.

松田は苦笑いしながらわたしの肩を抱き寄せる。

じわりと滲む視界。

「……言ったじゃない、うそつき」
「本心じゃありません。ゆるしてください。年端もいかない絹さんを本気で好きですって触れ回ってたら、会長にまで知れ渡って俺はすぐに破門です」

そう言われて納得するしかない。
口を噤むわたしを抱き上げ、松田の脚の上に乗せられる。

「俺には絹さんしか居ないんです」

肩口を吸われる。

「愛してます」

思考がまたばらついて、眠気と気怠さが襲う。

「松田って……いつからわたしのこと好きなの?」

< 90 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop