MINE.
愛著
異母妹が夏風邪をひき、松田がその看病をしているらしい。
五十鈴の元に、松田からの休暇の申請がきた。
夏も終わったというのに夏風邪とは。
何より、あの二人は拗れたまま看病をしても大丈夫なものか。
治った頃に連絡でも入れるか、と駐車場を見た。いつもは呉野の車が入っているそこに、見慣れない車。
いや、これは松田が所有していたものだ。
一旦離れへ帰ってきているのか?
五十鈴は出迎えを受けて、母屋の廊下を歩く。途中で陽乃を見かけた。
「松田、帰ってる?」
「いえ、見ておりませんが……。絹さんのご看病に行かれたんですよね?」