MINE.
同じだ。絹の家に松田が看病しに行っているという話。
「音沙汰もないので心配してたんです……松田さんいらしてたんですか?」
「いや……俺の勘違いか」
「そうですか。お夕飯、出来たらお持ちしますね」
「うん。頼みます」
廊下を進んだ。離れの方へと近付く。
灯りはついていない。もちろん、物音ひとつしない。
きっと、松田はここへ車を停めて、必要なものを持って絹のところへ行ったのだろう。
五十鈴は踵を返そうとした。
ふと、立ち止まり、絹の携帯へと電話をかけた。
自分の携帯から鳴るコール音が、静かな秋の夜に響く。