MINE.
義理の妹の安否を思ったが、まあ松田の傍に置いておけば『生きて』はいられるのだろう。
それ以前に、絹から松田を離そうとしたことを知られれば。
背筋が凍る。
振り向くが、誰もいない。
これ以上は踏み込むべきじゃない。
五十鈴は明るい母屋へと向かった。
母屋の廊下から黄色い怒鳴り声が聞こえた。
耳を澄まさずともすぐに誰だか分かる。呉野の女主人、素子だ。
その要因も何となく予想ができた。
離れで暮らす絹が眠ったのを見届けて、松田は母屋へ戻っていた。小さな部屋ではあるが、松田にもひとつ宛がわれていた。