大嫌いの先にあるもの
「春音、何を怒ってるんだ?」
「怒ってないよ。妹と兄の距離を作ってるだけ」
妹と兄の距離では手をつないだらいけないんだろうか。
僕は干渉し過ぎてるんだろうか。
春音の横顔を見ると今にも泣き出しそうな顔をしてた。
どうしたんだろう。やっぱり先ほどから様子がおかしい。
「春音、大丈夫か?」
思わず春音の頬に触れると、「触らないでっ」と春音が僕の手を振り払った。
やっぱり春音は怒ってる。それも物凄く。
「帰る」
春音はいきなりそう言って背を向けた。
まだ三田村夫人に紹介してないし、こちらの用事も終わってない。
「待ちなさい」
春音を追いかけた。
僕の言葉を無視するように早足で春音は行ってしまう。
「春音、待って」
春音の細い肩を掴んでこちらに振り向かせると、焦げ茶色の瞳には大粒の涙が浮かんでいる。
なんで泣いてるんだ……。
泣かせるような事を僕がしたのか。
「これ以上黒須とは一緒にいられない」
涙交じりの声で春音が言った。弱々しい声が胸に突き刺さる。
理由はわらないけど、春音は僕のせいで泣いてる。そう思ったらこれ以上引き止められない。
肩から手を離すと、春音は背を向けて走り出した。
「怒ってないよ。妹と兄の距離を作ってるだけ」
妹と兄の距離では手をつないだらいけないんだろうか。
僕は干渉し過ぎてるんだろうか。
春音の横顔を見ると今にも泣き出しそうな顔をしてた。
どうしたんだろう。やっぱり先ほどから様子がおかしい。
「春音、大丈夫か?」
思わず春音の頬に触れると、「触らないでっ」と春音が僕の手を振り払った。
やっぱり春音は怒ってる。それも物凄く。
「帰る」
春音はいきなりそう言って背を向けた。
まだ三田村夫人に紹介してないし、こちらの用事も終わってない。
「待ちなさい」
春音を追いかけた。
僕の言葉を無視するように早足で春音は行ってしまう。
「春音、待って」
春音の細い肩を掴んでこちらに振り向かせると、焦げ茶色の瞳には大粒の涙が浮かんでいる。
なんで泣いてるんだ……。
泣かせるような事を僕がしたのか。
「これ以上黒須とは一緒にいられない」
涙交じりの声で春音が言った。弱々しい声が胸に突き刺さる。
理由はわらないけど、春音は僕のせいで泣いてる。そう思ったらこれ以上引き止められない。
肩から手を離すと、春音は背を向けて走り出した。