大嫌いの先にあるもの
黒須の言葉に不愉快になる。
会員証を作るという事はこの店に通う事になる。大学以外でも顔を合わせる事になるなんて勘弁して欲しい。
「嫌です」
キッパリと口にした。
「なぜ?」
理由なんてわかってるのに、意地が悪い。
「春音ちゃん、どうしたの?」
休憩を取っていた滝本さんが心配そうにレジに来た。
「会員証を作りたいのですが」
黒須が滝本さんに話しかけた。
滝本さんが黒須の顔を見て、恥ずかしそうに頬を赤らめる。
悪魔に魅了された瞬間だった。
「えっと、あの、お客様、本日免許証などの身分証はお待ちでしょうか?」
ベテランの滝本さんの声が大げさに裏返ったので驚いた。かなり黒須に動揺してる。
「ありますよ」
黒須が滝本さんに向かって優しく微笑み、上着の内ポケットから長財布を出して運転免許証を差し出した。
「ありがとうございます。コピーを取らせていただきます」
新人みたいに滝本さんは緊張した動作で受け取った。
完全に魂を持って行かれてる。
「は、春音ちゃん、か、会員証の紙とカード」
滝本さんに言われ、仕方なく引き出しから新規カードと会員証の登録用紙を出した。
「では、お客様、太枠の部分だけご記入をお願いいたします」
用紙を差し出すと私に向かって勝ち誇ったような笑みを浮かべた。負けた気がして悔しい。
会員証を作るという事はこの店に通う事になる。大学以外でも顔を合わせる事になるなんて勘弁して欲しい。
「嫌です」
キッパリと口にした。
「なぜ?」
理由なんてわかってるのに、意地が悪い。
「春音ちゃん、どうしたの?」
休憩を取っていた滝本さんが心配そうにレジに来た。
「会員証を作りたいのですが」
黒須が滝本さんに話しかけた。
滝本さんが黒須の顔を見て、恥ずかしそうに頬を赤らめる。
悪魔に魅了された瞬間だった。
「えっと、あの、お客様、本日免許証などの身分証はお待ちでしょうか?」
ベテランの滝本さんの声が大げさに裏返ったので驚いた。かなり黒須に動揺してる。
「ありますよ」
黒須が滝本さんに向かって優しく微笑み、上着の内ポケットから長財布を出して運転免許証を差し出した。
「ありがとうございます。コピーを取らせていただきます」
新人みたいに滝本さんは緊張した動作で受け取った。
完全に魂を持って行かれてる。
「は、春音ちゃん、か、会員証の紙とカード」
滝本さんに言われ、仕方なく引き出しから新規カードと会員証の登録用紙を出した。
「では、お客様、太枠の部分だけご記入をお願いいたします」
用紙を差し出すと私に向かって勝ち誇ったような笑みを浮かべた。負けた気がして悔しい。