大嫌いの先にあるもの
今日の黒須は明るいグレーのスリーピーススーツ。水色のワイシャツに青いネクタイが爽やかな感じだねって、隣に座ったゆかと若菜が話している。
相変わらず黒須のスーツチェックが好きな2人の話を聞いて、緩んでしまいそうになる頬に力を入れた。
教壇の前に立っている素敵な先生が私の恋人なんて夢みたい。
黒須は学生の顔を確認するように教室全体を見渡した。前期だったらその視線から逃げるように俯いていたけど、今日は顔をあげて黒須の方を見た。
教室には百人近い学生が座っているから、私に気づかないかもしれないけど、一瞬だけ黒須と視線が合った気がする。
「皆さん、おはようございます。楽しい夏休みが終わり、今日から講義が始まりましたが、この講義ではSDGsについて触れていこうと思います」
マイク越しに明るいトーンの声が響く。講義で聞く黒須の声は凛としていて、丁寧な言葉遣いがアナウンサーみたいで、耳に心地いい。難しい用語も素敵な言葉のように聞こえてくる。
この声が好きだったと、改めて気づいた。
相変わらず黒須のスーツチェックが好きな2人の話を聞いて、緩んでしまいそうになる頬に力を入れた。
教壇の前に立っている素敵な先生が私の恋人なんて夢みたい。
黒須は学生の顔を確認するように教室全体を見渡した。前期だったらその視線から逃げるように俯いていたけど、今日は顔をあげて黒須の方を見た。
教室には百人近い学生が座っているから、私に気づかないかもしれないけど、一瞬だけ黒須と視線が合った気がする。
「皆さん、おはようございます。楽しい夏休みが終わり、今日から講義が始まりましたが、この講義ではSDGsについて触れていこうと思います」
マイク越しに明るいトーンの声が響く。講義で聞く黒須の声は凛としていて、丁寧な言葉遣いがアナウンサーみたいで、耳に心地いい。難しい用語も素敵な言葉のように聞こえてくる。
この声が好きだったと、改めて気づいた。