大嫌いの先にあるもの
「最初に会った時に。女性にしてはガタイが良かったのでね。それに琥珀色の瞳の色だ。ずっとどこでその瞳を見たか引っかかっていた。よく考えてみると、僕がもらったデヴィッドの写真と瞳の色も含めて目がそっくりなんだよ。他のパーツは整形しているようだが」
チッとデヴィッドが舌打ちをし「あんた鋭いな」と認めるように呟いた。
「バレちゃしょうがないか。しかし、正体がバレた所で関係ねえ。あんたは死ぬんだから」
銃を向けながらデヴィッドが笑う。
「なぜ僕を殺す?」
「もちろん身の安全の為だよ」
「狙われてるのか?」
「組織に追われている。ジャニスに預けたマイクロチップのせいでな」
「マイクロチップ?」
デヴィッドがフッと笑った。
「この際。冥途の土産に話してやるか。懐中時計の文字盤の裏にマイクロチップを隠したんだよ」
「美香が預かったのは懐中時計だったのか」
「かなりヤバい情報が入っているそうだ。俺は下請けの下請けだから詳しい事は知らんが、日本人に渡せってお使いを頼まれていたんだ。ところがボブの野郎が裏切って組織に追われる事になっちまった」
「それでジャニスに預けたのか」
「そのマイクロチップが大金になると聞いたからな。ほとぼりが冷めるまでジャニスに持っていてもらうつもりだった。まさか組織の奴らがジャニスの存在に気づくとは夢にも思わなかったんだよ」
「ジャニスの事故死を知って焦ったという訳か」
「ああ、それでマイクロチップの行方を探して、友達の日本人に預けた所まではわかった」
心臓が大きく脈打ち、真っ黒な感情が溢れた。
「まさか、その情報を売ったのか?」
「俺だって生きる為に必死だったんだ」
急ブレーキを踏んだ。車が急停車し、反動でデヴィッドがフロントガラスに頭から突っ込むような態勢になった。
その隙にデヴィッドの手に握られていたワルサーP99を奪い取った。
チッとデヴィッドが舌打ちをし「あんた鋭いな」と認めるように呟いた。
「バレちゃしょうがないか。しかし、正体がバレた所で関係ねえ。あんたは死ぬんだから」
銃を向けながらデヴィッドが笑う。
「なぜ僕を殺す?」
「もちろん身の安全の為だよ」
「狙われてるのか?」
「組織に追われている。ジャニスに預けたマイクロチップのせいでな」
「マイクロチップ?」
デヴィッドがフッと笑った。
「この際。冥途の土産に話してやるか。懐中時計の文字盤の裏にマイクロチップを隠したんだよ」
「美香が預かったのは懐中時計だったのか」
「かなりヤバい情報が入っているそうだ。俺は下請けの下請けだから詳しい事は知らんが、日本人に渡せってお使いを頼まれていたんだ。ところがボブの野郎が裏切って組織に追われる事になっちまった」
「それでジャニスに預けたのか」
「そのマイクロチップが大金になると聞いたからな。ほとぼりが冷めるまでジャニスに持っていてもらうつもりだった。まさか組織の奴らがジャニスの存在に気づくとは夢にも思わなかったんだよ」
「ジャニスの事故死を知って焦ったという訳か」
「ああ、それでマイクロチップの行方を探して、友達の日本人に預けた所まではわかった」
心臓が大きく脈打ち、真っ黒な感情が溢れた。
「まさか、その情報を売ったのか?」
「俺だって生きる為に必死だったんだ」
急ブレーキを踏んだ。車が急停車し、反動でデヴィッドがフロントガラスに頭から突っ込むような態勢になった。
その隙にデヴィッドの手に握られていたワルサーP99を奪い取った。