大嫌いの先にあるもの
黒須から事情を聞いている内にあっという間におばあちゃん家に着いた。
山茶花の生垣に囲われた築40年の二階建ての家が懐かしく感じる。
私の育った家はやっぱりお父さんとお母さんと一緒に3歳まで暮らしたマンションではなく、美香ちゃんと育ったこの家だ。
黒須は門の前に立つとインターホンを押した。
カメラ付きのインターホンで、それだけは新しい。
「お待ちください」
インターホン越しにおばあちゃんのハッキリとした声がした。
声を聞いた途端、緊張する。おばあちゃんに何しに来たんだって、怒られそうで。
チョコレート色の玄関ドアが開いて、おばあちゃんが出て来た。珍しく着物姿だった。
「黒須さん、お待ちしておりました」
門を開けると、黒須に向かって深々とおばあちゃんが頭を下げた。
黒須の話は本当だったんだ。
おばあちゃんの態度が全然違う。
「春音も連れて来ました。お邪魔します」
「お邪魔します」
何て言ったらいいかわからず、私もそう言っておばあちゃんに頭を下げた。
山茶花の生垣に囲われた築40年の二階建ての家が懐かしく感じる。
私の育った家はやっぱりお父さんとお母さんと一緒に3歳まで暮らしたマンションではなく、美香ちゃんと育ったこの家だ。
黒須は門の前に立つとインターホンを押した。
カメラ付きのインターホンで、それだけは新しい。
「お待ちください」
インターホン越しにおばあちゃんのハッキリとした声がした。
声を聞いた途端、緊張する。おばあちゃんに何しに来たんだって、怒られそうで。
チョコレート色の玄関ドアが開いて、おばあちゃんが出て来た。珍しく着物姿だった。
「黒須さん、お待ちしておりました」
門を開けると、黒須に向かって深々とおばあちゃんが頭を下げた。
黒須の話は本当だったんだ。
おばあちゃんの態度が全然違う。
「春音も連れて来ました。お邪魔します」
「お邪魔します」
何て言ったらいいかわからず、私もそう言っておばあちゃんに頭を下げた。