大嫌いの先にあるもの
坂道の先に青い屋根の二階建ての洋館があった。相沢さんも一緒に来てくれると思ったら、私を置いてロールスロイスは走り去っていった。
中に入るのも躊躇われるぐらい大きな洋館だった。ホームパーティーって聞いたから、こんな立派な洋館に連れて来られるとは思わなかった。
玄関の辺りできょろきょろしてると、タキシード姿のおじさんに声をかけられた。
「立花春音様でしょうか?」
どうして私の名前を知ってるんだろう。初めて会う人なのに。
もしかして、黒須に聞いてるのかな。
「はい、そうです」
「ようこそいらっしゃいました。こちらです」
おじさんに案内され、立派過ぎる玄関を通って中に入った。
赤絨毯が敷かれた広い廊下を進んで、いろいろな部屋を通って、庭に出るとその広さにまたびっくり。
公園みたいに広い。百人以上の人たちがいそうだけど、全然敷地余ってる。庭の中央には噴水まであって、その前には楽団までいて、優雅な音楽が流れてる。
なんかお城の舞踏会にいるみたい。この場にいる人たちはみんな正装してて、セレブに見える。貧乏学生の私には場違い過ぎる。
帰りたい。
「お飲み物はシャンパンでよろしいですか?」
アルコールじゃないものが良かったけど、この場に圧倒されて頷いた。
おじさんが歩いてるウェイターからフルートグラスに入ったシャンパンをもらってくれる。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「パーティーは立食形式になっております。好きな物を楽しんで下さい」
「あ、はい。ありがとうございます」
「では、こちらでお待ち下さい、今、黒須様を呼んでまいりますので」
おじさんが立ち去った途端、心細くなる。
一人にしないで欲しかった。
なんなの。もうっ。こんなのホームパーティーってレベルじゃない。相沢さんも黒須もいきなりセレブ空間に放り込むなんて意地が悪すぎる。心の準備ってものがあるのに。
中に入るのも躊躇われるぐらい大きな洋館だった。ホームパーティーって聞いたから、こんな立派な洋館に連れて来られるとは思わなかった。
玄関の辺りできょろきょろしてると、タキシード姿のおじさんに声をかけられた。
「立花春音様でしょうか?」
どうして私の名前を知ってるんだろう。初めて会う人なのに。
もしかして、黒須に聞いてるのかな。
「はい、そうです」
「ようこそいらっしゃいました。こちらです」
おじさんに案内され、立派過ぎる玄関を通って中に入った。
赤絨毯が敷かれた広い廊下を進んで、いろいろな部屋を通って、庭に出るとその広さにまたびっくり。
公園みたいに広い。百人以上の人たちがいそうだけど、全然敷地余ってる。庭の中央には噴水まであって、その前には楽団までいて、優雅な音楽が流れてる。
なんかお城の舞踏会にいるみたい。この場にいる人たちはみんな正装してて、セレブに見える。貧乏学生の私には場違い過ぎる。
帰りたい。
「お飲み物はシャンパンでよろしいですか?」
アルコールじゃないものが良かったけど、この場に圧倒されて頷いた。
おじさんが歩いてるウェイターからフルートグラスに入ったシャンパンをもらってくれる。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「パーティーは立食形式になっております。好きな物を楽しんで下さい」
「あ、はい。ありがとうございます」
「では、こちらでお待ち下さい、今、黒須様を呼んでまいりますので」
おじさんが立ち去った途端、心細くなる。
一人にしないで欲しかった。
なんなの。もうっ。こんなのホームパーティーってレベルじゃない。相沢さんも黒須もいきなりセレブ空間に放り込むなんて意地が悪すぎる。心の準備ってものがあるのに。