だいすきボーイフレンド
まさかこんな展開になるとはつゆほども思わず、私の部屋は16時過ぎに嵐のように身支度を終えた状態のままで、まあまあ汚かった。
「いやいや今さら嘘つかんでええよ」
急いで洗面台周りを片付ける私の背中に、晴人が言う。
「嘘やなくて、今日集合早かったからバタバタしたんや」
「涼香もバタバタしたんや」
「待ち合わせ5時は早い」
「これどこに置けばいい?」と晴人は私が飲み干した空のペットボトルを手に聞いてきた。私は急いでその手からペットボトルを奪う。
「いいって、そんなんやらんで、そこらへん座っててや」
「だって汚いやん」
「だからそっちが勝手にのしのし上がってきてんやん」
ローテーブルの下に落ちてるダイレクトメールをかき集める。
「だから申し訳ないから片付けよう思て手伝ってんやんか」
「ええよ、そこに座っといて」
晴人が犬みたいに口をへの字にして立ち尽くす。
座っといて言うたやん。
私が見上げると、分かりやすくしょんぼりしてる。
「なんなん」
私も手を止めてゆっくり立ち上がる。
「ごめん」
はあ?
そんなんで謝るくらいなら家の前で帰ってってくれ。
「いいから、酒飲んだりなんか食べたりしてて」
私がそう言うと頷いて、部屋の隅でチョコかかった柿の種を食べ始めた。
「いやいや今さら嘘つかんでええよ」
急いで洗面台周りを片付ける私の背中に、晴人が言う。
「嘘やなくて、今日集合早かったからバタバタしたんや」
「涼香もバタバタしたんや」
「待ち合わせ5時は早い」
「これどこに置けばいい?」と晴人は私が飲み干した空のペットボトルを手に聞いてきた。私は急いでその手からペットボトルを奪う。
「いいって、そんなんやらんで、そこらへん座っててや」
「だって汚いやん」
「だからそっちが勝手にのしのし上がってきてんやん」
ローテーブルの下に落ちてるダイレクトメールをかき集める。
「だから申し訳ないから片付けよう思て手伝ってんやんか」
「ええよ、そこに座っといて」
晴人が犬みたいに口をへの字にして立ち尽くす。
座っといて言うたやん。
私が見上げると、分かりやすくしょんぼりしてる。
「なんなん」
私も手を止めてゆっくり立ち上がる。
「ごめん」
はあ?
そんなんで謝るくらいなら家の前で帰ってってくれ。
「いいから、酒飲んだりなんか食べたりしてて」
私がそう言うと頷いて、部屋の隅でチョコかかった柿の種を食べ始めた。