だいすきボーイフレンド
さっき豚骨ラーメン食べたのがまだお腹に残ってる気がする。4時半。まだまだ夜ご飯のことは考えられない。

「なあなあ、ここにゲーム一式置いていい?」
「いや、ちゃんと持ち帰って」
「はーい」

この一週間、晴人はそれとなくここに住むようなニュアンスで言葉を口にする。馴れ合いでダラダラと付き合い続けそうな気もして、ふと本当にこれでいいのかと考える。

私、この人のこと好き?

好きってなんや。

「なあ」と晴人が私に顔を向けてきた。

「なに」
「ちょっといちゃいちゃしたい」
「いちゃいちゃってなに」

私は笑って誤魔化すけど、晴人は体を私に寄せてきた。

「いちゃいちゃってなによ」
「いいやん、させてよ」

晴人は笑ってるけど、頭の中はもう必死って感じ。

「私今帰ってきたばっかやしさ」

そう言ってるそばから顔を首筋に近づけてくるから、私もその顔を見ると唇にキスをしてきた。

目を開けてするんやな、と不思議に思っているとゆっくりと顔を離した。

「ラーメンと桃が混じった味すんねんけど」

晴人が真顔で言う。

「だってラーメン食べたし、今ピーチ飲んだし」
「ラーメン食ったんや」
「うん」
「一人で?」
「一人で」

嘘をついてしまった。

嘘をついたことに罪悪感を覚えながら、またルイボスティーを飲む。

これでは誤魔化せないラーメンの味。

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