だいすきボーイフレンド
それでもすぐ翔平は来た。

泣き腫らして顔面崩壊してる私の顔を見て笑う。

「めっちゃ泣いてんやん」

知ってる顔を見たら安心してしまってまた涙が出てくる。

「どうしよう、ほんまどうしよう」
「ごめん、ほんまにごめん、俺が元凶やんな」

顔面に張り付いた前髪を笑いながら剥がしてくれる。

「ひどい顔や、ほんま」
「ひどい男や、ほんま」
「そやね、俺やんな」
「そやで」

翔平は何度も私の頭を撫でて、そして後頭部に手を添えて顔を近づけた。

ものすごく優しいキスをする。
はじめてのように、何の癖もない、ただ当てるだけのキスだった。
ゆっくり顔が離れる。

「最低な男やん」

そうこぼす私の顔をじっと見て頷く。

「俺、めっちゃ最低な男やねんて」
「どこまで計算やったん」

翔平が黙り込む。

「なんであん時、晴人と私に付き合ってって言ったん」
「諦める方が楽やん」

そう言ってまたキスをしてきた。
顔を離して、またキスをする。

「友達と好きな人被ったら、俺は身を引く方を選ぶよ」

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