だいすきボーイフレンド
朝になると、翔平は来たままの格好で家に戻ろうとした。

また普通に私に会いに来てほしいなと思いながら、靴を履く翔平を見てたら、翔平がそんな私に気付いて口を開く。

「絶対これ内緒やで。墓場まで持ってこな」

つら。

分かってたことだけど、つらい。
きっと今の私は1ミリも上手く笑えてない。

「またな」

最後に笑顔を向けてくれた。

バタンと乾いた音がしてドアは閉まった。

一日で二人の男がこの部屋から出て行った。
その男たちは二度と戻ってこなかった。

またな、って、その「また」はきっともう来ないんやろな。

翔平のことだから「またな」は優しさだったんだと思う。

私たちはきっとずっと友達にも恋人にもなれない。
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