だいすきボーイフレンド
「井口は翔平が好きやったとか」
私はわざとらしいほどに「いや」と大声で否定した。
「いや、確かに翔平爽やかやし、いい人やし、仲も良かったけど、あの翔平やで、好きになったって敵わんやん、すごいモテるし」
「な」と付け足して同意を求める。
てっしーが「私に遠慮してんちゃう」と言ってきた。
申し訳ないけど笑った。
「遠慮とかそういうんじゃなくて、みんなの翔平やったやん、なんか、みんな好きやったやん」
3人が腑に落ちない顔して鶏肉とポテトの煮物みたいなお洒落なものをつまみだす。
少し遅れて私もそれを皿に取る。
「井口、モテるわりに『好きになれん』ばっか言ってたよな」
「その後、東京行って誰か好きになれたんか」
藤田なつみの興味津々な問いに、私は晴人と翔平を思い出す。
「好きになってもうまくいかんかってんなー」
私はそう濁した。
「あれちゃう、ずっと晴人と翔平と一緒やったから、他の男が霞んで見えるんちゃうん」
てっしーが言うと、「いくらなんでも東京にもっといい男いるやろ」とえりこが否定する。
私は笑う。
「そうかもな」
つい本音が出たことに、3人が驚いて口が止まった。
「そうかもなってどっちに同意したん」
「翔平と晴人がいるから他に好きになれんてこと?」
てっしーとえりこがグイグイ来るから、「待ってよ」と落ち着かせる。
私はわざとらしいほどに「いや」と大声で否定した。
「いや、確かに翔平爽やかやし、いい人やし、仲も良かったけど、あの翔平やで、好きになったって敵わんやん、すごいモテるし」
「な」と付け足して同意を求める。
てっしーが「私に遠慮してんちゃう」と言ってきた。
申し訳ないけど笑った。
「遠慮とかそういうんじゃなくて、みんなの翔平やったやん、なんか、みんな好きやったやん」
3人が腑に落ちない顔して鶏肉とポテトの煮物みたいなお洒落なものをつまみだす。
少し遅れて私もそれを皿に取る。
「井口、モテるわりに『好きになれん』ばっか言ってたよな」
「その後、東京行って誰か好きになれたんか」
藤田なつみの興味津々な問いに、私は晴人と翔平を思い出す。
「好きになってもうまくいかんかってんなー」
私はそう濁した。
「あれちゃう、ずっと晴人と翔平と一緒やったから、他の男が霞んで見えるんちゃうん」
てっしーが言うと、「いくらなんでも東京にもっといい男いるやろ」とえりこが否定する。
私は笑う。
「そうかもな」
つい本音が出たことに、3人が驚いて口が止まった。
「そうかもなってどっちに同意したん」
「翔平と晴人がいるから他に好きになれんてこと?」
てっしーとえりこがグイグイ来るから、「待ってよ」と落ち着かせる。