満月の夜に、オオカミは泣く
「女の話を俺の前で出すな」
「はぁ、総長が女嫌いなんて困るなー」
ため息まじりにそういうあいつ。
なにも聞こえないふりをして俺は足を進める。
俺は屋上につく。
白い息がと、タバコの煙が漆黒の空に消えていく。
やっと1人の空間になった。
少し肌寒い季節になってきた。
空を見上げると、
少しかけた月がポッンと浮かんでいた。
「なぁ母さん、俺はあんたの思った通りの子に
はなれなかったよな」
誰もいない空間に俺は話しかける。
顔も、どこにいるかもわかんねぇ親父を俺は⋯
「一生許さねぇ」
なんのために俺はここにいるのか、
安心しろ忘れてねぇよ。
どうやってきたのかもわからない
この、魔法の国にな____________