満月の夜に、オオカミは泣く
ゆっくりと足の方向を変え、
公園の入口に挿そうとした次の瞬間っ、
《バコッ》
「ふぇっ?」
なに、なにごと?今バコッて⋯⋯
公園に⋯誰かいるの?
ゆっくりと公園の入り口からその様子を見る。
顔を覗かせた次の瞬間、
1人の男の声が聞こえてきた。
男1「おい、じーさん、金よこせよ。なぁ?聞こえねーのか?」
タバコをくわえながらそう言い放つ男。
「ワシらホームレスは今日を生きるだけで精一杯なんだ。そんな金はどこにもない」
地面に這いつくばって、
身を守るのに必死なホームレス。
男2「うるせー、きたねーじーさんがよ、口きいてんじゃねー」
《バコッバコッ》