満月の夜に、オオカミは泣く
「ありがとうございます」
ホームレスが肉まんを受け取る。
「急いで食って逃げろ。ここはもう危ない」
ホームレス「"また"あるんですね。……それでは私は」
「…おう」
そしてホームレスの男は立ち上がり、
公園をあとにした。
……行っちゃった。
あの人暴走族の偉い人、だよね?
だってあの怖そうな男の人たちが、顔を真っ白にしてたんだもん。
どうしてこんなこと⋯?
「………おい」
誰かに話しかけるように…
冷たい空気にそう呼びかける男の人。