満月の夜に、オオカミは泣く
えー嘘、誰かまだいるの?
「……へぇ、女か。それも1人。珍しーなぁ、その度胸は褒めてやるよ。ただ、怖くねーのか?それとも、援交待ちか?」
え?女って⋯私?
腕を組んで見下ろす男。
……どう見ても私の方を見てるよね?、
「なんで、?…私がいるってわかるの?」
思ったよりちゃんと声が出て自分で驚く私。
「ふっなめんなよ世界一の暴走族の総長やってんだ。いつ命落としてもおかしくない」
なんで?
怖い人なのに。
…さっきみたいに足が笑わない。