満月の夜に、オオカミは泣く
カーテンを閉めてベッドに座る。
カーテンの隙間から入ってくる風はいつもと同じ。
冷たい冷たい風だった。
いつのまにこんなに汚くなったのか。
私が小さかったときには、
おじいちゃんが国を収めていたけど
こんなんじゃなかった。
町のひと皆んなが幸せそうだった。
今では私たち貴族以外、
暴走族とホームレス。
あと、変な店の集まり。
だから私は17年間一度も、
この城から出たことがないんだ。
いつしかこの街は魔国とよばれ、
この国以外のことを使国と呼ぶようになった。