天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
【佐倉さんとメッセージのやり取りをしました。啓介さんのことをすごく評価してましたよ。とても優秀な秘書さんなんですね】

【それはどうかな。でもそう言ってもらえているのなら嬉しいよ。茉莉花の彼としても評価してもらえるよう頑張るよ】

そんな返信が来て嬉しくなった。私のために頑張るって言ってもらえるなんて母以外にはいなかった。
けど母には頑張らせ、苦労ばかりさせたので啓介さんには頑張りすぎないで欲しい。

【啓介さんは今のままでいいんです。私が啓介さんにふさわしくなれるよう頑張りますね】

【俺だって茉莉花のために頑張りたいよ】

どうしていつもこんなに甘いんだろう。
甘やかされすぎると我慢ができなりそうで怖い。
どんどん啓介さんを好きになっている自分の欲が深くなっている。こんな自分を知られ、嫌われたくない。
メッセージを返す言葉を考えてしまうと間髪入れずにまたメッセージが入ってきた。

【なんか色々考えてるんだろ。俺が茉莉花を幸せにしたいんだから、これは嬉しいことなんだ。苦になるはずがないんだからな】

私の涙腺が緩んでしまい、電話でなくて良かったと思った。

【ありがとう。すごく嬉しい】

やっとそれだけ返すと彼からしばらくしてまたメッセージが届いた。

【クリスマスなんだけどどうする?】

今年はイブが土曜日。
私も啓介さんも休みのはずだが後1ヶ月に迫っているが私からは何も聞けずにいた。
この前久しぶりに一緒に夕飯を食べに街で待ち合わせした。その時にイルミネーションを見てクリスマスのことが気になったが言い出せなかった。
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