天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
30日になり、ようやく冬休みになった。
啓介さんは忙しそうだが、合間で久しぶりに電話をくれた。
『元気か? 風邪はひいてない?』
「大丈夫。啓介さんこそ疲れてるでしょ? 身体は大丈夫?」
『あぁ。明日で終わるからなんとかな』
声は少し疲れていそうだし、今は外なのかガヤガヤとした音が後ろから聞こえてきた。
『明後日の大晦日から一緒に年越ししないか?』
あ……
どうしよう。
私がすぐに答えないので不思議に思ったのか尋ねてきた。
『何か予定があるのか?』
「あ、うん。実は佐倉さんとお正月をする約束をお墓参りの時にしてしまったの」
『はぁ……』
彼から深いため息が漏れた。
「ごめん、ごめんなさい。付き合うってよくわからなくてつい佐倉さんと一緒におせちを食べようって約束しちゃって」
『いや、茉莉花は悪くないんだ。俺がまた出遅れたっていうだけで』
「出遅れた?」
『あぁ。京香さんに渡すものだったとはいえ茉莉花に指輪を渡しただろう? あの日のご飯も社長に先回りされた。そして今回もだ。何かと社長の方が一歩リードしてるんだよな』
少し悔しそうな声が聞こえてきて、私は何だかおかしくなりクスクスと笑ってしまった。
「佐倉さんと啓介さんじゃ関係が違うのにそんなこと言うなんて」
私が笑っていると拗ねたような声で、
『そうは言ってもなんだか悔しいよ。正月にふたりで過ごして、しかも茉莉花のおせちまで食べるんだろう?』
「啓介さんも一緒にお正月をしませんか?」
私がそう言うと一瞬啓介さんは固まった。そして何か考えているようだったが、割り切ったように「わかった」とだけ返事が返ってきて電話が終わった。
啓介さんは忙しそうだが、合間で久しぶりに電話をくれた。
『元気か? 風邪はひいてない?』
「大丈夫。啓介さんこそ疲れてるでしょ? 身体は大丈夫?」
『あぁ。明日で終わるからなんとかな』
声は少し疲れていそうだし、今は外なのかガヤガヤとした音が後ろから聞こえてきた。
『明後日の大晦日から一緒に年越ししないか?』
あ……
どうしよう。
私がすぐに答えないので不思議に思ったのか尋ねてきた。
『何か予定があるのか?』
「あ、うん。実は佐倉さんとお正月をする約束をお墓参りの時にしてしまったの」
『はぁ……』
彼から深いため息が漏れた。
「ごめん、ごめんなさい。付き合うってよくわからなくてつい佐倉さんと一緒におせちを食べようって約束しちゃって」
『いや、茉莉花は悪くないんだ。俺がまた出遅れたっていうだけで』
「出遅れた?」
『あぁ。京香さんに渡すものだったとはいえ茉莉花に指輪を渡しただろう? あの日のご飯も社長に先回りされた。そして今回もだ。何かと社長の方が一歩リードしてるんだよな』
少し悔しそうな声が聞こえてきて、私は何だかおかしくなりクスクスと笑ってしまった。
「佐倉さんと啓介さんじゃ関係が違うのにそんなこと言うなんて」
私が笑っていると拗ねたような声で、
『そうは言ってもなんだか悔しいよ。正月にふたりで過ごして、しかも茉莉花のおせちまで食べるんだろう?』
「啓介さんも一緒にお正月をしませんか?」
私がそう言うと一瞬啓介さんは固まった。そして何か考えているようだったが、割り切ったように「わかった」とだけ返事が返ってきて電話が終わった。