天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
3人でテーブルを囲みおせち料理を食べ始めた。
「おぉ。全部美味しい。がめ煮も味がよく染み込んでるな。黒豆もふっくらしてる。茉莉花ちゃんは料理が上手なんだな」
「本当だな。すごく美味しいよ」
「良かった〜。心配してたんです。ふたりの口に合わなかったら、と思うと」
「すごく優しい味付けで美味しいよ。久しぶりにきちんと正月料理を食べたよ」
佐倉さんの箸は止まることなく進んでいるところを見てホッとした。
昨日作った伊達巻や昆布巻きも喜んでもらえているようで手をかけた甲斐があった。
去年の今日はこんな日が来るなんて思いもしなかった。
今はふたりと一緒に過ごせて本当に幸せだとつくづく実感し、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。
「茉莉花?」
「あ、ごめんなさい。去年も一昨年もお正月はひとりで過ごしていていたからこんなに楽しいお正月は久しぶりで、つい……」
ハハハと照れ笑いのような声をあげると、佐倉さんもポロポロと涙をこぼし始めた。
「ひとりきりにしてごめんな。これからはいつだって頼って欲しい。それにお願いがあるんだ。この部屋は駅からも遠いし、古い。セキュリティもないから心配で仕方ないんだ。私の持っているマンションに引っ越さないか?」
「ダメです!」
啓介さんが即座に声を上げた。
驚いて啓介さんを見上げると、私の方を見ていた。
「茉莉花さえ良ければうちに来るといい。おれも常々心配だった。女の子ひとりでこのアパートは不用心だ。うちに来て欲しい」
「未婚の茉莉花ちゃんを竹之内の家に行かせるわけにはいかない!」
佐倉さんは対抗するように啓介さんと押し問答を始めた。
「俺は彼女との将来をきちんと考えています」
「竹之内と結婚したら彼女の負担が大きいだろう。そんな苦労はさせたくない」
「俺が守ります。だから社長こそ連れて行かないでください」
「ダメだ。可愛い茉莉花ちゃんをお前のところになんか渡せない」
私の意見なんてないままにふたりは言い合いになってしまい、どうしたらいいのかわからない。
「おぉ。全部美味しい。がめ煮も味がよく染み込んでるな。黒豆もふっくらしてる。茉莉花ちゃんは料理が上手なんだな」
「本当だな。すごく美味しいよ」
「良かった〜。心配してたんです。ふたりの口に合わなかったら、と思うと」
「すごく優しい味付けで美味しいよ。久しぶりにきちんと正月料理を食べたよ」
佐倉さんの箸は止まることなく進んでいるところを見てホッとした。
昨日作った伊達巻や昆布巻きも喜んでもらえているようで手をかけた甲斐があった。
去年の今日はこんな日が来るなんて思いもしなかった。
今はふたりと一緒に過ごせて本当に幸せだとつくづく実感し、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。
「茉莉花?」
「あ、ごめんなさい。去年も一昨年もお正月はひとりで過ごしていていたからこんなに楽しいお正月は久しぶりで、つい……」
ハハハと照れ笑いのような声をあげると、佐倉さんもポロポロと涙をこぼし始めた。
「ひとりきりにしてごめんな。これからはいつだって頼って欲しい。それにお願いがあるんだ。この部屋は駅からも遠いし、古い。セキュリティもないから心配で仕方ないんだ。私の持っているマンションに引っ越さないか?」
「ダメです!」
啓介さんが即座に声を上げた。
驚いて啓介さんを見上げると、私の方を見ていた。
「茉莉花さえ良ければうちに来るといい。おれも常々心配だった。女の子ひとりでこのアパートは不用心だ。うちに来て欲しい」
「未婚の茉莉花ちゃんを竹之内の家に行かせるわけにはいかない!」
佐倉さんは対抗するように啓介さんと押し問答を始めた。
「俺は彼女との将来をきちんと考えています」
「竹之内と結婚したら彼女の負担が大きいだろう。そんな苦労はさせたくない」
「俺が守ります。だから社長こそ連れて行かないでください」
「ダメだ。可愛い茉莉花ちゃんをお前のところになんか渡せない」
私の意見なんてないままにふたりは言い合いになってしまい、どうしたらいいのかわからない。