天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
「それにしてもさぁ、昨日行ったばかりのAnge fleur Jusminの社長と茉莉花のお母さんが付き合っていたなんて凄いね。茉莉花のお母さんは美人だったもんね」

「うん、まさか社長さんと付き合ってたなんてね。でもただの同級生だと思って付き合っていたんだと思うよ。最後には知っちゃったけどね。母に限って肩書きで相手を選ぶとは思えないし」

蘭子はグラス片手に相槌をうつ。

「そうだよね。茉莉花のお母さんって真面目で優等生タイプだよね。だからうちのお母さんもシングルだって聞いて最初驚いていたもん」

「確かに真面目だね。だからこそ私もそれだけは不思議だった。でも聞くたびに泣きそうな顔になるから深くは聞けなかったの」

こんなことなら生前もっと聞いておくべきだったと反省した。
まさかこんなに早く母を失うと思ってもおらず肝心なことを聞き忘れてしまい悔やまれるところだ。

「どうにか知る方法があればいいよね」

私は頷いた。
これ以上この話をしていても堂々巡りでこれといった解決策も出ないため私ははなしをきりあげた。
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