天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
翌日。

【今、日本についた】

昼休みにスマホを見ると彼からのメッセージが届いていた。
良かった、無事に帰ってきたんだ。
メッセージを見てホッとした。
飛行機に乗ったことも、海外に行ったこともない私にとっては大変なことに思え、無事に帰ってきたと連絡が来てやっと地に足がついたような気がした。

【おかえりなさい。お疲れ様でした】

メッセージを返すが読む気配はなく、私は午後の仕事に戻った。
彼が日本にいると分かっただけでなぜか気持ちが温かくなり、なんとも言えない安堵感に包まれた。

夕方仕事を終え、スマホをまた手にすると受診を知らせる表示があり胸が高鳴った。

【明日12時にどうかな? 迎えに行くので吉祥寺あたりでランチでもしないか】

スマホを握りしめ、すぐに返信した。

【分かりました。よろしくお願いします】

帰り道、明日のことを考えると足取りが軽くなっているのがわかる。
ふとアパートのそばまで来たところで男性が立っていることに気がついた。
暗くなるのが日に日に早くなってきており、18時過ぎの今もすでに暗い。そのため誰が立っているのかも見えずなんとなく男性としかわからないため怖い。
どうしよう、一度引き返して時間を置いて帰ろうか悩んだ。
すると男性は私に気がつくと頭を下げている。
つい反射で私も頭を下げた。
その人は私に近づいてくるがまだ相手は見えない。
どうしよう。
すると声がかけられビクッとした。
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