【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。


「……え?」

 言われている意味が、全く分からない。 でも……ドキドキするということは分かる。

「お前のことが、気になって仕方ないんだ。お前のその存在が、気になって仕方ない」

 かと思ったら、抱きしめてくれていた身体は離れる。
 なのに今度は、向きを変えて後ろから橋本さんに抱きしめられる。

「……え?」

「僕は君が好きだ、時枝」

 えっ……。えっ?

 耳元で囁かれ、急に鼓動が早くなる。心臓バクバクしてしまう。

「遠回しに言うのは嫌いだから、ストレートに言う。……僕と結婚しないか」

「……結婚、ですか?」

 結婚? 結婚……。け、け、結婚っ?!

「結、婚?!」

 い、いきなりプロポーズした!? 

「結婚……ですか」

「そうだ、結婚だ。 僕もいい歳だし、そろそろ結婚してもいい年齢だからな」

 だ、だからって……結婚? そんないきなり、プロポーズって……!

「だからって……いきなり結婚なんて、早くないですか!?」

 そ、そこは段階を踏んでからが基本では……!

「どうせ君も、僕が好きなんだろう? なら、問題ないだろう」

「も、問題って……」

 問題はありありですけど! ても……。
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