【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。
「うわっ……」
ま、眩しい!眩しすぎる……!
「やっと……出られた」
「大丈夫か、時枝」
扉が開いた瞬間に、橋本さんは私の腕を掴んで立ち上がらせてくれる。
「……ありがとうございます」
「二人とも、よく暗闇の中で頑張りましたね!! 毛布用意したので、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
エレベーターの中から出ると、見慣れた風景に出る。
「暖かい……ここ」
「ああ、暖かいな」
「二人とも、念の為病院で診てもらいましょう」
橋本さんに支えてもらいながら、私たちは係員の人に誘導され、救急車へと乗り込む。
「……出られて、良かったですね」
「良かったな。 よく頑張ったな、時枝」
「……本当に、ありがとうございました」
橋本さんのおかげで、私はようやくエレベーターから脱出することが出来た。
橋本さんがそばにいてくれたおかげだ。本当に感謝してる。
話によると、係員の人がなかなか来れなかったのは、トンネルで爆発事故があったらしく、そこでしばらく足止めされていたからだったらしい。
でも暗闇の中でのあの二人の時間は、私にとってはいい時間だったことに、間違いはない。
『完結』