【短】虚弱なウサギと乱暴なトラ
「逃がしてやらねぇって言ったろ。こっちは今まで大人しくしててやったんだ。俺が好きってんなら、ちったぁ味見させろ」
「っ!?!? せ、せんせっ、なんでっ!?」
「分からねぇか? 俺もお前が好きってことだよ」
サラリと言ったせんせぇは、またキスもどきをする。
わたしの頭は真っ白になって、ボンッと限界を超えた。
好き……せんせぇも、わたしのことが好き……?
「……せん、せぇ……あたま、クラクラする……」
「ふぅん……こういうのでも熱出すのか。これからは加減してやらねぇとな」
せんせぇはクスッと笑って、わたしの目を覆い隠すように手を乗せる。
「じゃ、味見はここまでだ。さっさと寝て、体治せ」
「そんな、すぐに……ねむれないです……」
「しょうがねぇな。ほら、深呼吸しろ。吸って……吐いて……」