【短】虚弱なウサギと乱暴なトラ
に
せんせぇのことなのに…
「で、今日は咳と熱だな?」
わたしのおでこと首に、手の甲を当てながら尋ねたせんせぇを見上げて、こくんと頷く。
「体育で動き過ぎたな。ほら、氷やるからとっとと寝ろ。あぁ待て、熱測ってから寝ろ。記録用に」
「はい」
冷蔵庫から氷嚢を取り出してポイッと投げ渡すと、せんせぇは机に体温計を取りに行った。
わたしはちょっと張り切るとすぐに熱が出るのだけど、仮眠を取れば元気になるのがいいところ。
横になって、せんせぇに渡された体温計で熱を測りながら、わたしは机に向かっているせんせぇの横顔を見た。
「せんせぇ、何してるんですか?」
「仕事」
「う……それは分かりますけど……」