Death Contract‐死神の契約‐
「かーさん…?とーさん…?春奈…?」


12月その日は昼から翔や、他の友達と遊んでいた。夕方、家に帰るとそこはからっぽだった。
部屋の中には荒らされた形跡と、置き手紙。
忘れもしない、12月16日。楽しいはずの誕生日は、最低最悪な誕生日だった。

すぐに警察を呼んだ。パトカーが到着すると、近所の人は何事かと集まり、家はあっという間にやじ馬に囲まれた。

かわいそうよねぇ…
どうするのかしら…

うるさい程、人々が呟く。
その時は、これからどうするのかなんて考えていなかった。いや、考えられなかった。あまりにも、突然すぎた。


「春稀っ!」


すぐに、由佳と翔がやってきた。


「なにがあったんだよ…?!」

「大丈夫っ?!」


二人の声も、しばらくは耳に入らなかった。
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