Death Contract‐死神の契約‐
―「由佳っ!」


春稀が電話して数分後、裕美が病室に来た。


「…お母さん」

「よかった……」


裕美は目尻に涙を溜めながら、由佳に歩み寄った。


「……ごめんなさい、あたしの不注意で…」

「助かったから、そんな事どうでもいいの。よかった…。本当によかった…」


裕美と由佳は抱き合いながら、涙を流した。


「じゃあ、俺はこれで…」


春稀は居心地が悪くなり、病室を出ていこうと立ち上がったが、それを由佳が呼び止めた。
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