Death Contract‐死神の契約‐
「そういえば、レオ」


春稀は立ち止まり、後ろに居たレオに話しかけた。


「あ?」

「いつになったら、俺の望みを叶えてくれる」

「……さあな」


レオは少し間を空けてから言った。


「俺は気まぐれだからな」

「自分で言うか」

「今は気が乗らねぇ。そんなに家族が好きかよ」

「いや、早くなくて良い」

「家族愛、零かよ」

「由佳が元気になるまでだ。それまでは側に居たい」

「どんだけ宮葉が好きなんだよ」

「お前が一生かかっても理解出来ないくらい」

「理解したくもないがな」


レオは春稀を追い越し、歩き出した。
< 109 / 183 >

この作品をシェア

pagetop