Death Contract‐死神の契約‐
シリアの体は硬直し、動かなかった。


「糞ガキがっ…!」


男はシリアに向かってナイフを振り上げた。
シリアは腕で目を覆い、身構えた。そして、周りに見えないように目の前で人差し指を男に向けた。


「え……?」


狙いを定めるために、開けた目をシリアは大きく目を見開き、目の前の光景に唖然とした。
男は“何者か”によって崩された建物のがれきの下で血を流して倒れていた。


「きゃぁああぁあ!!!」


辺りを歩いていた人が叫び、あっという間に人だかりが出来た。
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