Death Contract‐死神の契約‐
「ジュリア、私は怒っているのだ。何故だか分かるな?」

「はい…」

「あまり、私を苛つかせるな。抑えられなくなる」

「はい…」


男はフゥッ…と息をついて、肩の力を抜き、椅子の高い背もたれにもたれた。


「怒鳴ってすまなかった」

「い、いえ…」

「相手はまだ、成長しきってない子供だ。だが、気を抜くな。中には、信じられない力を発揮する奴も居る。人間に危害を加えない内に捕まえてくれ。…出来るな?」

「はい」


ジュリアは立ち上がり、男に軽く頭を下げた。


「失礼します」


その瞬間、ジュリアは消えた。
< 150 / 183 >

この作品をシェア

pagetop