Death Contract‐死神の契約‐
―ガタッ!


「なんだ、お前は!どこから入った?!」

春稀の眼は、パソコンからいつの間にか彼の部屋に居た男に移った。

ハチミツ色の髪に、右目には眼帯。

胸には逆十字架のネックレス。

手には鎌を持っていて、背中には黒く、大きな羽。

全身を黒で包んだ男は、楽しそうに春稀を見つめた。

椅子から急に立ち上がったため、デスクに置いていた花瓶がバランスを崩して床に落ち、派手な音を立てて砕け散った。


「まぁまぁ。そう警戒するなって」


男は平然と、春稀の目を見ながら言った。

「警察呼ぶぞ?!」


春稀の声が少し裏返ったため、男は肩を揺らして笑った。


「黙れ!!」

「なんだよ、つれねぇなぁ…。呼んだのはお前だろ?」

「俺は何もしてなっ…」


言いかけた春稀はハッとして、再び目線をパソコンに戻した。
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