Death Contract‐死神の契約‐
「なー、春稀ー」

「…」

「なーって」

「……」

「はーるーきー」

「うっせぇ!集中出来ねぇだろが!」


休み時間。
レオが本を読んでいる春稀に話しかけた。


「校内案内して」

「んなの、その辺の女子にやってもらえよ」

「春稀がいーんだよぉ。女子は苦手なんだよぉ」


口調が変わっていた。


「…きしょい」

「頼むって!」

「…チッ!……ついてこい」


春稀は小さく舌打ちをすると、教室を出た。
レオも後に続いた。


「ここが保健室で…、って、おい!」


真面目に案内をする春稀をよそに、レオは逆の方へと向かった。


「どこ行くんだよ!」

「屋上だ。文句あるか」


口調が戻っていた。
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