Death Contract‐死神の契約‐
「お前ら、少しは手加減してやれよ」


体育担当の教師、白川が呆れ顔で他の生徒を指差した。


「あ…。すんません、つい楽しくて」


春稀が頭をポリポリ掻きながら言った。


「スポーツ万能なのに、なんで部活に入らないんだ?」

「めんどくさいからです」


翔が即答した。

「ま、それもありますけど。俺はただ、楽しくやれたらいいんです」

「ふ~ん…。お前等みたいな奴もいるもんだな」

「どういう意味ですか」

「そのまんまだ。うしっ、今日はここまで!各自ボールを片付けてから帰ること!以上」


春稀と翔は、白川の間近で聞いた低く、大きな声に耳を痛めながら、ボールを片付けていた。その時。


「水島」


感情のない声が聞こえた。
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