Death Contract‐死神の契約‐
「何だよ」


春稀はいかにも嫌そうな顔をして、そいつ、天草幸彦を見た。


「君達のプレー、前と変わっているね」


細い黒縁眼鏡を中指で直した。


「だから何だよ」

「秘密の特訓でもしているのかな?」

「してねぇよ」

「とてもそうには見えないけどね」

「何が言いたい」

「いや、別に。ただ、君が壊れてしまわないように、と思ってね」


天草は少し笑うと、体育館をあとにした。
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