Death Contract‐死神の契約‐
(天草幸彦…)

春稀は苛立ちを隠せなかった。


「春稀、眉間に皺が寄ってるぞ」


レオが自分の眉間に指を添えながら言った。


「うるせぇ」

「やっべぇ、キレてる」


翔はそれ以来喋らなくなった。


天草は細く、吊り上がった狐のような目が特徴的で、教師からは何故か人気があり、彼を取り巻く者は皆、天草を慕っている。
天草の学力は、春稀に次いで学年3位。
それを意識しているのか、入学して初めてのテストの結果が出た時から、何かと春稀に突っ掛かっていた。

先程のバスケの事もそうだ。

特訓をしていないのは事実で、ただ、翔との相性が良く、プレーが変わるのは、翔が勝手に変えているのに合わせているだけだった。
< 36 / 183 >

この作品をシェア

pagetop