Death Contract‐死神の契約‐
―「今日…、何かあったの?」


帰り道。
春稀の右側を歩いている由佳が春稀の顔を覗き込みながら言った。


「…何で?」

「ずっと眉間にシワがよってるから」

「あいつだよ、天草」


春稀の左側を歩いているレオが言った。
レオは一日で有名人になった。それは眼帯をしているせいか、ハチミツ色の髪のせいか、その容姿のせいかは分からない。


「お前は黙っとけ」


春稀はレオを睨んだ。


「ああ、天草君か」

「宮葉、天草ってどんな奴なんだ?」

「んー…」

「由佳、答えないでいいって」

「そう?じゃ、あたしはこっちだから!バイバイ!また明日ねー」

「ん」


由佳は元気に手を振りながら走り去った。


「ラブラ…」

「黙れ」


春稀はレオを置いて歩き出した。
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