Death Contract‐死神の契約‐
「じゃあ…、俺はこれで…」


春稀が病室に着いて30分が経過した時、翔が言った。


「翔君、本当にありがとう」


裕美が翔を赤い目で翔を見ながら言った。


「いえ…。じゃな」

「…おう」


翔は春稀の肩を軽く叩いてから出ていった。
その後、由佳が目を覚ます事は無かった。
時間だけが虚しく過ぎていく。
気が付けば、午前1時だった。


「春稀君、もう帰ったほうが…」

「いえ、大丈夫です。おばさんこそ、帰った方がいいと思います。俺は大丈夫ですから」

「そう…?」

「はい。由佳が目覚めたら、連絡します」

「じゃあ、よろしくね?」

「任せてください」

「ありがとう」


裕美は最後に由佳の頭を優しく撫でると、病室を後にした。
< 94 / 183 >

この作品をシェア

pagetop