Death Contract‐死神の契約‐
「あー…。ダメだな、こりゃ」


不意に、レオの声がして、春稀は部屋を見渡した。


「いつから居たんだよ」


レオは低めの棚の上であぐらを掻いていた。


「お前が着いたと同時に」

「居なかっただろ」

「お前が気付かなかっただけだ」

「それより、『ダメだな』って、どういう意味だ」

「そのままの意味だが」

「もう助からねぇ、ってか?」

「ああ」

「ふざけるなっ!」


春稀は椅子から勢い良く立ち上がった。
あまりの勢いに、椅子が倒れた。


「何も、ふざけてなんかいねぇよ」

「このまま、死ぬのを待てとでも?」

「そうするか否かは、お前が決めろ」

「…どういう意味だ」

「お前の命と引き換えなら考えてやってもいいぜ?」


レオは不気味に微笑んだ。
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