清く正しいお付き合いからはじめませんか
畳み掛けるなら今だ。

「私のこと、嫌い?」

「……嫌いなら会いに来させねえだろが」

「じゃあ好きなんだ!」

満面の笑顔で迫る私に、彼は小さく舌打ちを漏らす。
そんな悪態も私の目には可愛く映るので、これがきっと恋は盲目ってやつなんだなって思う。
それによく見ると彼の耳はほんのり赤く染まっている。
実は結構私のことも好きだと思うんだけどな。

「……お前が高校生の間は絶対に手は出さねえ」

「うん、大丈夫。犯罪者にはしないから」

「青少年として問題ない時間に家に帰れよ」

「わかった」

「あと親の言うことはよく聞いて手伝いとかもしっかりやれ」

「大丈夫。いつもしてるよ」

「よし」

やれやれと苦笑しながらも、彼は優しく私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。

「約束はちゃんと守れよ」

彼が小指をさしだしたので、私は精一杯神妙な顔で頷きながらその小指に自分の指を絡めた。
指切りげんまん。


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