ヒルダの約束
ラインハルト
敵の攻撃を受けつつ、ラインハルトの小隊は甚大な損害を出しながらも、かろうじて退却に成功した。敵はそれ以上攻め込んで来なかった。その夜、オットーの宿営にラインハルトがやって来た。援護が遅かったと文句を言いに来たのかとオットーは警戒したが、そうではなかった。
「今日はきみのおかげで命拾いをした。礼を言いたくね」そう言い、少佐が手を差し出してくる。握手の意味らしい。戸惑いを隠し、オットーは「いえ。当然のことをしたまでですから」と白々しい。儀礼的に差し出したオットーの手をラインハルトは力強く握った。
「ありがとう。部下の分も礼を言う」
「・・・いえ」
「ところで」と少佐の声色が変わった。
「ところで、きみはヒルダの友人なのだね。オットー・ベルガー少尉。彼女から聞いたことがある」
「ああ。友人というか・・・」
「今日はきみのおかげで命拾いをした。礼を言いたくね」そう言い、少佐が手を差し出してくる。握手の意味らしい。戸惑いを隠し、オットーは「いえ。当然のことをしたまでですから」と白々しい。儀礼的に差し出したオットーの手をラインハルトは力強く握った。
「ありがとう。部下の分も礼を言う」
「・・・いえ」
「ところで」と少佐の声色が変わった。
「ところで、きみはヒルダの友人なのだね。オットー・ベルガー少尉。彼女から聞いたことがある」
「ああ。友人というか・・・」