コーヒー店のアールグレイ女史

「ごちそうさまでした。」

トレーを返却口に置く。

「いってらっしゃい! 」

彼は毎日そう言ってくれる。その時私は顔をそっと上げる。するとちょっとだけ目が合う。
自然に笑みがこぼれてしまう・・・

嬉しい・・・

あーたんなるオバさん。年取ると年下の子がかわいくてしょうがないというけどホントだわ・・・
毎日同じことを思う。彼はまだ少年の顔が残るさわやかイケメン。真面目そうな目か印象的。
夕方や夜、この店に寄ってみたけど彼はいなかった。

どうも朝のシフトだけのようね・・・

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